ブログ『男の育休.com』を訪れていただき、ありがとうございます。
初めまして。名古屋で会社員をやっています、ヨシヒロといいます。
このブログには何が書かれているの?
自分のためになりそうな情報はあるかな?
どんな人が書いているのかな?
そんなことを思いながらこのページを見ていただいてるんじゃないかと思います。僕がどんな人間で、どんな環境にいて、誰に向けて何を発信しているのか、少し長くなるかもしれませんがお話ししたいと思いますのでお付き合いください。
目次
男性だけど育休を取ろうと考えているあなたへ
このブログは、ひとことで言うと”育休を取ろうと考えている男性会社員”に向けて書いています。たまに、”旦那に育休を取ってもらいたいと考えている女性”に向けても書いていこうと思っています。
厚生労働省は、2018年度の男性育児休業取得率が過去最高の6.16%であったことを発表しました。
”過去最高”、”6年連続上昇”などと、これだけを見ると男性も育児がしやすい環境・社会になってきていると感じるかもしれません。
でも、実際のところ、肌感覚として、あなたはどう感じますか?「ここ数年育休取得率が上がってて男性も育児しやすくなったな〜」って心から思いますか?国の施策としても色々頑張ってもらってるかもしれませんが、すみません…僕の肌感覚的には、何かがよくなったとはあまり実感がないです。
統計には現れない現状
統計上の数字は確かに上がってるんだけど、肌感覚としてはまだまだ”子育ては女性が中心的に担うもの”という周りの認識や感覚、空気感みたいのを感じます。実際のところ、どうでしょう?あなたはこんな風に思っていたりしませんか?
- うちの会社で男性育休取得者いないしなぁ…自分が先陣切って育休取りたいなんて言いづらいなぁ…
- ホントは1ヶ月だけでも休みとって家族の時間を作りたいけどなぁ。でもウチの会社は無理だな…明らかに人手不足だし。
- 仕事山積みだし。引き継いでくれる人なんていないし。育休取りたいなんて口が裂けても言えるわけないじゃん…
- 会社は”育児と両立しやすい環境を目指します”とか言って男性の育休を勧めてくる。でも、業務の引き継ぎとかケアをしてくれるわけじゃない。結局、会社のメンツのために妻の出産直後に3日間だけ育休を取ったけど、それって”育休”って言うのか?
男性だって育児にもっと参加したいと思っている人は多いと思います。もちろん家族の在り方は千差万別で、男性も育児しなきゃいけないと決めつけるのは違います。ママは育児を担う、パパは仕事やその他の活動をする。そういう家族の在り方を夫婦それぞれが納得の上で実践しているのならそれもアリです。
そういうやり方は、ある意味これまでの日本のスタンダードなスタイルですから、それほど大きなハードルはなくやっていけると思います。でも逆に、男性がもっとガチで育児に関わろうと思ったら、ものすごいたくさんの見えないハードルが立ちはだかります。
そんなハードルを超えて、ぜひあなたに「育児に関してはこういう風にやっていきたい」という素直な想いを実現してほしいと思います。えらそうに言いながら、僕自身が全てまるっとうまくいっているわけではありません。むしろうまくいかないことの方が多いと思います。
それでも、自分の理想のライフスタイルを求めて行動したいと思っています。「現実見ろよ」って言われるかもしれませんが、言い訳して何も行動できない人間にはなりたくない。
だから、育児休業や子育てについて、うまくいくことも、いかないことも、行動したことをこのブログに書いていこうと思います。このブログを見てあなた一人だけでも、「自分も育休取ってみよう」とか「育児のやり方を妻(あるいは夫)と相談してみよう」と思って何かひとつ行動に繋げてもらえたら嬉しいです。
僕の会社や置かれた環境
僕は少なくとも半年間の長期の育休を取ります!と宣言していますが(本稿執筆時点で取得予定)、「あなただから取れるんだよ」と言われるかもしれません。
と。あなたはそう思っているかもしれませんね。
正直言って、僕が置かれている環境はかなり恵まれていると思います。「あぁやっぱり」って思いましたか?でも、もう少し聞いてほしいです。
会社で育休取りたいと言い出したときも、あからさまに反対したり嫌がらせをしてくるような同僚や上司はいませんでした。それだけで、かなり恵まれた環境にいるんだろうと思います。
僕は従業員数1000人くらいの中〜大規模の会社に所属しています。仕事内容は技術系のサービス業で、自分の専門技術を活かしてお客様にサービス提供(情報提供や技術提供)する仕事です。
っていう説明で、どんな仕事か想像できますか?言い換えると、僕の職業は研究者です。研究者って言うと大学の先生みたいな人を思い浮かべるかもしれませんが、企業に勤める研究者です。
研究者ってどんなイメージでしょう?たぶん人口的にはそんなに多くない職種なのでわかりにくいかもしれませんが、ひとりひとり持っている専門技術が違っていて、それぞれが自分の専門技術を使って新たな知見・情報を発掘したり、または技術を作ったりして、それを必要としているお客様に提供します。
かなり仕事内容が偏った専門職ですので、同じ会社でも代わりに自分の仕事をやってくれる人がほぼゼロという状況です。引き継ぎも何もありませんね。引き継げない仕事なんだからもう諦めちゃって、僕は休みます!と言いやすいという捉え方もできます。
でも、同時に、自分が育休取ることで、これまでのお客様に対して、会社としてサービス提供ができなることも意味しています。そういう意味では、極めて育休を取りにくい仕事と捉えることもできます。
結局のところ、どんな仕事にも同じようなことが言えると思うんです。例えば「僕は10人の営業チームの一員です」という人は、自分一人が抜けたところで残り9人が仕事を続けてくれるから大丈夫だとも思えるし、でも自分が担当していたお客様は自分を頼りにして商品を買ってくれていた、という事実もあるでしょう。
どんな職種でも、どんな立場でも、周りのことを考えると育児のために休業することをためらう人が多いのは仕方ないかもしれません。女性は出産のために仕事を休まざるを得ない状況になりますが、男性は必ずしも仕事を休まなくてもいいという状況ですからね。余計にです。
僕だって、会社の人が嫌味を言ってこないだけ恵まれた環境だと思っていますが(内心どう思われているかは知りませんが)、自分が抜けることに対する負い目みたいなのはとても感じてしまいます。キャリアのこととかも色々いろいろ…本当にいろいろ考えちゃいます。
僕はそんな環境にいますが、男性会社員は、多かれ少なかれ、どこかに育休を取ることのハードルを感じていると思います。育休取りたいのに取れない…家族との時間を優先したいのにできない…それってすごい辛いですよね。
僕も以前は「仕事を優先せざるを得ない」って諦めていたこともありますが、色々あって、もっと自分の想いを尊重するようになりました。その色々について、以下にお話ししますね。
自分がいなくても世界は回る
これは数年前に転職していった同僚に、送別会のときに言われた言葉なんですが、
育児の話じゃなくて、転職することに対しての発言でしたが、アタマをぶん殴られた気分でした。確かに。自分がいなくても確実に社会は回ってる。自分が仕事を半年や1年休んだり、今の仕事を辞めて転職したら世界経済が麻痺してどうしようもなくなりました、みたいなことは起こりません。そんなことが起こる要職は、一国の大統領くらいのもんでしょう。
余談ですが、ニュージーランドの女性首相であるアーダーン氏は、一国のトップでありながらも産休を取っています。子どものために休めない職業なんて、ないんですよ本当は。
ニュージーランド首相、産休明け復帰
(BBCニュースより)
少し脱線しましたが、転職していった同僚に自意識過剰だと言われてから、少し自分を俯瞰して見れるようになった気がします。今まで自分の目の前のことばかりを、自分中心に見て生きていましたが、少し俯瞰して見てみるだけで、そんなにも考えが変わるんです。
よく、世界の果てと言われる秘境の地の壮大な景色を見たりして「自分の悩みなんてちっぽけだ」と感じる人がいると聞きますが、僕はそれを近所の居酒屋で、しかも同僚に教えてもらったのですから、安く済みました(笑)。
俯瞰して自分を見ることも大事ですが、一方で自分の身近にいる人にもっと目を向けて声を聞くことも大事ですね。どっちも大事。
なぜ僕が育休を取ると決めているのか
ここまで書いたように、僕は会社の環境や同僚に恵まれた環境にいると思います。”全国育休取りやすい人選手権”があったなら、総合順位でたぶんそこそこ上位に食い込む人間だと思います。でも、そんな人でも育休取るのを躊躇してなかなか取得率が上がらないのが日本の現状です。
僕は国のお役人ではないので取得率の数字を上げることに興味はありませんが、あなたが躊躇しているならその背中をそっと押せたらいいなと思っています。育休取りやすい環境にいるんだから、そして取りたいと思っているんだから、ちゃんと育休とって、その姿を見せていきたいと思っています。
なぜ、僕がそこまで育休にこだわるのか?と聞かれると、ハッキリと理路整然と説明できるわけじゃないんですが…長男が生まれて子育てをしてくる中で、やっぱりもっと一緒に遊びたいし、近くにいたいと、単純にそう思ったからです。
長男が生まれたときには育休は取得しませんでした。生まれた直後は3日間ほど休暇を取りましたが、それからは普通に仕事をしていました。
父親っていうのは、自分のお腹の中に子供がいるわけじゃないから、子どもが生まれてくるまではやっぱり実感があまりないんですよね。生まれてきた瞬間に、愛おしさを感じるし、父親になったんだな〜と実感します。
そして、素直にもっと一緒に時間を過ごしたいと思いました。だから、二人めができた暁には育休取ろうと考えたんです。でも、人生そんなに、うまいことはいかないもんです。
実は第二子を授かって育休も計画し始め、上司や周囲の人にも育休取得することを伝え始めていた頃、お腹の中の子供が生きて産まれてこれないということを医者から告げられました。
ショックでした。流産することもあるという事実はもちろん認識していました。だから食べるものとか色々、妻を気遣って生活しているつもりでした。でも、まさか自分達が、自分達の子どもが亡くなってしまうなんて想像しません。
第二子の妊娠がわかった頃にこのブログを書き始めたのですが、そのときは「男性育休取得者はまだまだ少ないし、みんなにも取って欲しいと思うから情報発信してみよう」くらいの軽い気持ちで始めたのが正直なところです。
でも、子どもと過ごせる時間は、実はすごく短いかもしれない。そんなことを思うようになりました。現に僕たち夫婦の間に授かった二人目の子は、妻のお腹の中にいた半年にも満たない期間しか一緒に生きることができなかった。
自分だって明日交通事故で死ぬかもしれないし、子どもだってそれは同じです。明日何が起こるかわからない!と毎日怯えて生活しているわけではありませんが、1日1日を大切に生きるってこういうことなのかなと、おぼろげながらに感じていたりします。
だから、今、子どもともっと一緒に時間を過ごしたいと思うならば、その自分の想いを尊重して、育休という制度を活用しようということです。取っても取らなくてもいいけど、育休を取ることは日本が国を挙げて推奨しているんだし、自分も子どもと一緒に過ごす時間を増やしたいと思うんだし、周りに気を使いすぎる必要はないよね、とますます思えるようになりました。
だから、僕は育休を取るんです。そう決めたんです。
育休を考えているあなたのために
少し長くなりましたが、ここまで目を通していただきありがとうございます。
まだまだ文章力も拙いし、あなたが知りたいと思っている男性育休事情をうまく伝えられるかはわかりませんが、精一杯お伝えする努力をしていきたいと思います。
男性で育休を取ってみたいと思っている方々ともっと繋がっていきたいとも思っております。僕もこれから育休を取得するという”予定”の段階ではありますが、絶対取るので、育休に向けた準備や、実際に取ってからのことも含め、あなたの力になれれば幸いです。
こんな僕ですが、何か聞いてみたいこと、もっと知りたいこと、なんでも気軽にメッセージをいただけたら嬉しく思います。お問い合わせはこちらから。
今後とも男の育休.comをどうぞよろしくお願いいたします。