半年以上の育休取得を予定“していた”、ヨシヒロです。
このブログは、妻の第二子妊娠がわかり、喜んだのもつかの間、「よーし!育休とるぞー!」ってなって始めたブログです。
まだまだ男性の長期育休取得者は少ないです。中にはいろんな理由で取りたいけど取れない、という人もいるだろうと思っています。
だから、半年とか1年とか長い期間育休取りたい!という男性に向けて、自分が率先して半年以上の育休を取得し、男性の育休にまつわる情報を発信していこうと思って始めたブログなのです。
でも・・・
どうしても、第二子の出産に際して、育休を取得できないことになってしまいました。
この記事では、どうして育休が取れなくなったのか?事の顚末(てんまつ)について綴るとともに、現在の日本の産前産後休暇、育児休業制度についての疑問を投げかけます。
こんな話誰も興味ないかもしれないけど、このブログを始めた以上、事実は説明する必要があるし、今回のことを通じて現行制度については言いたいこともあるので綴ります。
「死産」という現実
先日、育児日記にポツリと投稿しました。
妻のおなかの中でスクスクと育っていた第二子は、2019年を間も無く迎えようという日に、その生涯を終えることとなりました。
まだ母ちゃんに抱っこもされていない。もちろん、父ちゃんである自分にも。
赤ちゃんに異常が見つかったのは2018年末最後の検診。その前の11月頃の検診では何の問題もなかったのに。
原因は染色体異常と呼ばれるものでした。
染色体とはヒト(人間)の遺伝情報の発現と伝達を担う生体物質のことです。ヒトの場合、22対の常染色体と1対の性染色体の合計46本の染色体を持っています。(Wikipediaより)
染色体異常とは、例えば1対は2本のはずなのに、3本存在するトリソミーと呼ばれる異常があるそうです。
もちろん異常を持ちながらも、生まれてくる命もあります。ただし、ダウン症などの障がいを持って生まれることになります。
一方、残念ながら生まれてこれない命もあります。ウチの子は、残念ながら死産という結果になってしまいました。
認めたくはないけど、これが現実でした。
多くの「育休取りたくても取れない」理由はとるに足らないものである
さて。
この記事を投稿する以前に、僕が勤める会社の上司には、早々に「第二子が生まれたら半年以上の育休を取得する」ということを伝えていました。
このブログでも上司への育休宣言の仕方とか、色々ご紹介した通りです。
僕にとっても、育休を取ろうと思ったのは今回が初めてだったので、どうやって報告すべきか、色々考えながらも実践したことをブログに記しました。
これから長期の育休を取りたいと願う男性の背中を少しでも押せれば、或いは育休取るのか取らないのか煮え切らない夫の背中を押したい奥様の励みになればと思って。
日本で男性の育休取得率が異常に低いのは、そもそもそんな文化じゃなかったからですが、それも時代とともに変わりつつあります。
現代はむしろ男性の育休が推奨される環境になっている・・・はず。でも実際には男性は育休を取りづらいと感じている。(自分も含め)
育休取りたいのに取りづらい。その理由は、仕事を代替要員がいないとか、上司の理解がないからとか、そんなことです。
例えば実際のあるアンケート結果がこちらです。日経DUALのアンケートで「(男性が)育休を取得したかったけどできなかった・取得したいができないと思う理由」という質問項目です。
そうです。しょせん、“そんなこと”です。その程度のことなんです。僕からしたら、そんなの理由にならない。
だって、本気で取ろうと思えば取れるんだから。
仕事なんて引き継がなくたって何とかなるし、上司に理解してもらわなくってもいい。法で定められた権利なんだし。2019年、こんな時代に、子育てに理解を示さない上司って、バカかお前は。
でもある意味、そんな理由で悩める人が羨ましい。だって、僕はもう取りたくても取れないんだから。(第二子の出産に際しては)
どれだけ育児にコミットしようという気持ちがあっても、亡くなった子どもを育児しようとも、できないのだからどうしようもない。
もしこの記事を読んでくれているあなたが、育休を取りたいと思っているけど取りづらいと思っている男性だとしたら、もう悩まずに取ってほしいと僕は思う。
あなたには育休を取る権利があるし、取れる環境でもあるのだから。
そう。日本で「育休取れない」と言っている99%は「取れない」ではなく、「取らない」だけなのだ。
本当に取れないのは、子どもが亡くなった場合だけなんだ。自分が子どもを亡くして、初めてそのことに気づいた。
だから、あなたが育休を取りたいと思っているなら、法の許す範囲で好きなだけ取ってほしい。
誰にも気をつかう必要はないです。あなたのお子さんにパパと過ごす素敵な時間を与えてあげられるのは、あなただけなんですよ。
「死産」だからこそ必要な産後休暇
育休と関連する制度として、産前産後休暇、いわゆる産休があります。これは女性労働者のみに適用される法律です。
産休と育休の違いがよくわかっていない人は意外と多い気がします。僕も他人の事は言えず、自分が育休取ろうと思ってからちゃんと調べて理解しました。
産休とは、出産を控えた女性を出産予定日までの6週間と、出産後の8週間の期間に働かせちゃいけないって法律です。
この産休制度ですが、僕たち夫婦みたいな「死産」の場合にも同じように適用されます。
死産(中絶を含む)するときの妊娠周数にもよりますが、ウチみたいな妊娠5ヶ月ほどで死産となる場合は、一般的な分娩と同じように、赤ちゃんがママのおなかの中から出てきます。
その日を起点に、産休の期間が決まるわけですね。
でも。ここで、ひとつ考えてほしいこと。
さっき産休と育休の違いがよくわかっていないと書いたのは、産休→育休と続けて仕事を休むことが大半だからだと思うんですね。
だから育休とかあまり興味ない(知らない)男性からしたら、子どもが生まれる前後に休むのは産休とか育休とか言うらしい(区別はよくわからない)、くらいにしか思っていないと思います。(自分も以前はそうでした)
同時に女性からしたら、産休の後はそのまま育休を取ろうと考えている、と言うか最初からそのつもりの人が大半ではないでしょうか。
8週間の産休の後は、会社員なら最長1年くらい(会社制度による)、公務員であれば3年休もうと、それくらいの時間感覚でいる女性が多いのではないかと思います。
そう考えていた矢先に、突然「死産」を告げられたら・・・
想像できますか?この状況が。
死産でも産休が同じように適用されるとは言え、です。
子どもが亡くなったというショック、自分のこの先の人生プラン(主に育休期間を想定)の急な変更、これらを想定外のスケジュールで受け入れなければならないわけです。
育休取得を考えていた僕みたいなパパ目線で言えば、そもそも育休が取れない、そして産休は男性には適用されないから仕事をしながら妻をサポートしなければならない。(もちろん有給休暇とか使うけど)
自分勝手な考えなのかもしれないけど、こんなに突然ショックなことがあり、スケジュール変更を余儀なくされ、精神的には相当辛いです。
だから。男性にもママをサポートするという目的での産後休暇があってもいいかもしれないと思うし、急な死産の場合は産後休暇が延長できるとか、あってもいいかもしれないと思うんです。
普通分娩だろうが死産だろうが、同じように赤ちゃんを産むわけです。健康な子ならまだしも、死産ならメンタル的なケアも十分にする必要があります。
でもそういったことに対する時間的な配慮はされていないのが、現行制度ではないでしょうか。
おわりに
健康な子どもが生まれようが、残念ながらも死産になろうが、誰しもが幸せになる権利があるはずです。
そのために必要なことは何か。色々あると思うけど、ひとつは、人それぞれ、状況によって柔軟に対応できる制度だと思うんです。
制度(ルール)というものは、全ての人が納得のいくものにはならないのが実際です。
そりゃそうですよね。1億人いたら1億通りの考えや生き方があるわけですから。
国の法律を1億通りの人生に柔軟に対応できるようにするのは難しいですが、ベースとなる法律の上で、例えば会社の制度を柔軟にすることは十分に可能です。
そういった配慮ができる会社が、社員を大切にできる会社が、これからは生き残っていくのかもしれません。
最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。
なお、このブログは男性の僕が育休を取ることを前提に始めたところはありますが、長男の育児のことも含め、今後も発信していきたいと思います。
いつまでも、足を止めているわけにはいきません。生きている人間は前に進まなきゃいけない。
どうぞ、おつきあいをいただければと思います。今後ともよろしくお願いします。